2020年6月27日土曜日

今すぐできる防災ワンアクション②【非常用持ち出し袋を用意しよう!】



2015年に東京都の全世帯に配布された『東京防災』で勧められている10の防災アクションのまとめ第2弾、「非常用持ち出し袋を用意しよう」です。

参照:『東京防災』90〜91ページ

先日の第1弾で書かせていただいた「日常備蓄」とは似ているようで違います。日常備蓄は「家庭内避難」つまりライフラインが止まった自宅で過ごすために必要な備えであるのに対し、非常用持ち出し袋は自宅での避難生活ができない時に避難所などでの「家庭外避難」が必要な時のための備えです。家庭外避難が必要な状況ということは、命を守ることを最優先すべき危急の事態であることを意味していますので、すぐに持ち出せて避難所まで持ち歩ける大きさ・重さであり、命を守るために個人の必要にかなった必要最低限な中身であることが必須です。日常備蓄とは別の考え方で両方を備えておく必要がありますね。

前述の通り命を守るために必要なものは個人によって異なりますが、入れておくと良い基本的な物は『東京防災』90〜91ページに記載されています。これに加えて個人にとって必要なものを入れておきましょう。大雨などの荒天の中、また地震後のがれきの中で持ち運べる重さは大人でも5kg程度の重さが適正とされています。無理なく持ち運ぶことができるか、実際に背負って歩くなどして試してみることをお勧めします。またお子さんがいるご家庭なら、ぜひそれぞれの子ども用の非常用持ち出し袋も用意しましょう!子どもたちが自分の命を守る助けになるだけでなく、しましょう!子どもたちが日頃から防災意識を持つよう教える上でも役に立つと思います。

外で働いている方は、職場にも非常用持ち出し袋を準備することが勧められています。ライフラインが止まった職場に泊まることや徒歩で帰宅しなければならない状況を想定して中身を考えることができます。

今すぐできるぼうさいワンアクション!避難所での生活を想像して自分にとって・家族にとって必要なものを準備するようにしましょう!まだ準備しておられない方は非常用持ち出し袋を用意しましょう!すでに準備されている方は、もう一度中身をチェックしてみましょう!

やまざきひかる

※この記事は2015年10月に投稿した記事の内容をブラッシュアップして再度投稿したものです。

2020年6月23日火曜日

今すぐできる防災ワンアクション①【日常備蓄を始めよう!】

 2015年に東京都の全世帯に配布された『東京防災』で勧められている10の防災アクションについてまとめてみます。第1弾は「日常備蓄を始めよう」です。『東京防災』の84ページ~89ページ及び『「日常備蓄」で災害にそなえよう』(東京都発行)の冊子の中にも詳しく掲載されています。


日常備蓄(=ローリングストック)という言葉や考え方は、この本が発行された5年前と比べると広く知られるようになってきました。それでも「備蓄」と聞くとアルファ化米・乾パン・手回し充電ラジオ・長期保存水などの災害用備蓄(日常生活では使用しないもの)をイメージされる方が多いかもしれません。「日常備蓄」という考え方はこれらの物の備蓄ではなく【日常の生活を送りながら食料品や日常必需品を少し多めに購入しておく】というものです。例えば卓上コンロのボンベ、飲料水、米、パスタ、乾物、トイレットペーパーなどについて「まだ残っているうちに購入する」ということを習慣にするだけで気軽に行うことができます。日常備蓄しておくべき品目や量については『東京防災』の本(84ページ~89ページ)や前述の冊子にも詳しく掲載されていますが、必要なものは各家庭によって異なりますので、日常的に備蓄しておくものについて一度家族で一緒に考えておくのも良いかもしれませんね。

ひとたび大きな災害が発生すると、自治体などで備蓄している食料や飲料水を全ての人に行き渡らせることはできません。それらのものを自分で入手するために、給水場所やスーパーなどで長時間並ばなければいけないということも起こります。気候的に厳しい時期に災害が発生したら屋外で長時間並ぶことは特に高齢の方などにとってはかなりの負担になります。災害後も自宅で過ごすことができることが前提にはなりますが、自宅に備えがあるかないかでは災害後の私たちの生活に大きな違いを生じさせます。

今すぐできるぼうさいワンアクション!物流もライフラインもストップした状態で数日間~数週間自力で生活することを想像し、まだ始めておられない方は今日から日常備蓄を始めましょう!

やまざきひかる

※この記事は2015年10月に投稿した記事の内容をブラッシュアップして再度投稿したものです。

2020年6月1日月曜日

今日は災害用伝言ダイヤル「171」が体験できる日です


東日本大震災が発生した日、首都圏の道路は帰宅困難者であふれかえりました。歩道からはみ出て車道を歩く人もたくさんいて、自動車の大渋滞の原因の一つともなりました。思い返せば1995年の阪神淡路大震災。交通渋滞がなければ緊急車両がもっと早く駆け付けられて、救うことができた命もたくさんあったと言われています。都心部での災害において、人命救助を阻む要素となってしまうかもしれません。それは、震災が発生しても無理に帰宅しないこと、会社などにいるならばそこにとどまることが強く勧められている大きな理由の一つです。ただ私たちの心理としては、『家族が無事かどうかわからない』ときには、そんな勧めを無視してでも無理に帰宅したいという気持ちになります。

 企業などで講演させていただくときには、必ずこのことをお伝えしています。そして今できることとして、ご家族との安否確認の方法を複数決めておくことをお勧めしています。停電が発生していない場合、LINEやFacebookなどインターネット回線を利用した連絡手段は有効という場合もあります。それと合わせて、インターネット回線が使えない場合の手段として、NTTが提供する『災害伝言ダイヤル171』も勧められています。大きな災害が起こった時に、被災した地域で開設される声の伝言板です。被災地の人は声でメッセージを録音し、安否を知りたい人はそのメッセージを聞くことができます。携帯電話・公衆電話・固定電話いずれからも利用できます。


家族全員が使い方を覚えておきましょう。(音声ガイダンスに沿って操作できます)

◇メッセージを録音するとき
(1) 「171」をダイヤルする。
(2) ガイダンスに従って「1」を押す。
(3) 自宅の電話番号を入力する。
(4) ガイダンスに従って「1」→「#」を押す。
(5) 録音する(30秒までなので簡潔に)
(6) ガイダンスに従って「9」→「#」を押す。(終了)

◇メッセージを聞くとき
(1) 「171」をダイヤルする。
(2) ガイダンスに従って「2」を押す。
(3) メッセージを聞きたい方の自宅の電話番号を市外局番から入力する。
(4) ガイダンスに従って「1」→「#」を押す。
(5) 再生が始まる。

暗証番号をあらかじめ決めておいて、暗証番号を使って録音・再生することもできます。
録音保存期間は48時間、1電話番号あたり10件まで録音できます。
毎月1日と15日などが『体験日』になっています。家族みんなで練習してみましょう!

また携帯各社がテキストでメッセージを残し、確認することができる『災害用伝言板』を準備しています。ご自分の携帯電話で一度調べてみましょう。こちらも1日と15日などが体験日に設定されていますので、練習しておきましょう!


停電でテレビがつかない・新聞が発行されないなどの理由で正確な情報が不足するということが考えられます。適切に行動するために、正確な情報収集を心がけたいですよね。
ラジオも活躍しますが、以下のようなサービスも活用できます。

・各自治体の防災ホームページ
・各自治体の防災マップ
・スマートフォンのアプリ(例えばYahoo!防災速報・ゆれくるコールなど)
・防災Twitterアカウント(例えば国土交通省:@MLIT_JAPAN・東京都:@tokyo_bousaiなど)

お住いの自治体の防災ホームページや防災マップはブックマークやお気に入りに入れておきましょう!
スマートフォンのアプリをインストールしておきましょう!
Twitterアカウントをフォローしておきましょう!

災害時の情報収集のために、今から備えられることを全部実行しましょう!

やまざきひかる