2020年7月28日火曜日

今すぐできる防災ワンアクション⑤【家具の転倒を防止しよう】


 2015年に東京都の全世帯に配布された『東京防災』で勧められている10の防災アクションのまとめ第5弾、「家具の転倒を防止しよう」です。


 近年発生している大きな地震で、ケガをする人の30~50%は家の中での家具類の転倒に起因しています。2018年の大阪府大阪府北部地震でも北海道胆振東部地震でも、それぞれ家具類の転倒により命を落とされた方もいました。家具の固定など、家の中の安全を確保することは、発災の瞬間に家族の命を守ります!

 家具固定の大切さがわかる動画をYouTubeチャンネルにも公開していますのでぜひご家族でご覧ください。




 家の中の家具や家電で危険と思える状況を見つけて、できることから一つずつ改善しましょう!大きな地震が起こると家具や家電は文字通り飛んできて人を襲います。具体的な方法は前述の『東京防災』の冊子にも記載されていますが、以下に少しまとめてみました。

◇背の高い家具・冷蔵庫など
  (1)L型の金具で壁と固定する。(壁の強度に注意)
  (2)突っ張り棒タイプの転倒防止器具で固定する。
  (3)着脱式移動防止ベルトで固定する。
  (4)前下部にくさび形の転倒防止板を差し込む。
  (5)キャスター付きであれば下皿を置き移動を防止する。

◇壁に接していない背の低い家具
  (1)テーブルや椅子は脚に粘着マットなどの滑り止めをつける。

◇食器棚や吊戸棚などの開き戸
  (1)収納物が飛び出さないように開放防止器具を設置する。

 その他、本棚にはゴムバンドやひもをかけて本が飛び出さないようにすること、テレビをテレビ台に固定すること、水槽の下に粘着マットを敷くこと、吊り下げ式照明器具はチェーンで固定すること、ガラスに飛散防止フィルムを貼ることなども推奨されています。

 しかし、家具固定などの専用器具はそれなりのお値段がしますね。全部の家具を安全な状態にするにはある程度の出費が必要です。もちろん代用できないものも多いですが、防災用品コーナー以外で売っているものを使って費用を削減できるものもあります。例えばL型の金具は1個100円程度でしっかりしたものが買えますし、吊戸棚などの開き防止には200円ぐらいから売っている「打掛」という金具を使用することもできます。節約しながら命を守る方法があります。

 今、部屋を見回してください。例えば寝室でベッドや布団の頭の位置に倒れてくるかもしれない家具はありませんか?倒れると避難経路をふさいでしまう向きに家具が置かれていますか?ちょっと忙しくて今すぐには家具の固定などができないという方も、危険かもしれない家具の向きを変えたり配置を変えたりは今夜にもできますね!

 今日取り上げたような家具の固定などの対策をすれば絶対安全というわけではありません。「倒れてこない」というよりは「倒れてくるまでの数秒の時間を稼いでくれる」と考えて身を守る行動をとりましょう!

やまざきひかる

※この記事は2015年10月に投稿した記事の内容をブラッシュアップして再度投稿したものです。

2020年7月19日日曜日

今すぐできる防災ワンアクション④【部屋の安全を確認しよう】


2015年に東京都の全世帯に配布された『東京防災』で勧められている10の防災アクションのまとめ第4弾、「部屋の安全を確認しよう」です。

参照:『東京防災』94~95ページ

建物の耐震性が大きな進み、大きな地震でも家が崩壊するリスクは少なくなってきたと言われています。しかし倒壊しない建物の中でも、大きな揺れが起こると家具や家電が凶器と化します。高層住宅の上階ではさらにその危険は大きくなります。

今住んでいる家の中には、どんな危険がありますか?家族でチェックしましょう!
 ▼避難経路となるドアや廊下が家具の転倒などでふさがれませんか?
 ▼倒れてきそうな家具はありませんか?
 ▼ストーブに倒れかかって火事を引き起こすような位置に家具はありませんか?
 ▼緊急地震速報を聞いてすぐに逃げ込めるような安全な部屋はありますか?

大きな揺れによって背の高い家具や冷蔵庫などは倒れ、テレビなどは水平に2~3m飛んできます。引き出しは飛び出し、窓や家具のガラスは割れます。地震での負傷者の30~50%は家具類の転倒・落下によるそうです。家具の配置を工夫したり家具を固定するだけでこのケガのリスクを大幅に減らすことができます。具体的な提案は『東京防災』95ページをご覧ください!

次回は家具固定の具体的な方法について取り上げたいと思います。まずは家の中の危険についてすぐにチェックし、改善できることがあれば実行しましょう!

やまざきひかる

※この記事は2015年10月に投稿した記事の内容をブラッシュアップして再度投稿したものです。

2020年7月12日日曜日

今すぐできる防災ワンアクション③【大切なものをまとめておこう!】


2015年に東京都の全世帯に配布された『東京防災』で勧められている10の防災アクションのまとめ第3弾、「大切な物をまとめておこう」です。

参照:『東京防災』91ページ

災害時、すぐに持ち出せるように貴重品をまとめておくことがすすめられています。紙製の証書類(預金通帳・パスポート・土地や家の権利書・年金手帳・保険証・株券・保険証書・お薬手帳など)、印鑑、家族の写真などをまとめておくことができます。なるほど、水から守るためにビニールなどに入れておくのもいいんですね!そしてまとめた貴重品をまとめて盗まれることがないように十分に注意しましょう!

自宅が被災した場合、家屋倒壊による紛失や焼失可能性もあります。非常用持ち出し袋にも預金通帳の番号部分のページのコピー・免許書等の写真付き身分証明書のコピーを必ず入れておきましょう。これがあれば原本が紛失・焼失してしまった場合にも必要な手続きを経て預貯金を引き出すことができるそうです。その他、1週間程度しのげる程度の額の現金、いつも飲んでいる薬の名称を記載したメモなどを入れておくこともすすめられています!近年発生したいくつかの災害でも、日常的に飲んでいた薬の名前が分からず長期化した避難生活の中、新たに処方してもらうことができなかったというお話もいくつか聞きました。

まだ実施しておられない方がいたら、ぜひすぐにやってみましょう!

やまざきひかる