2015年に東京都の全世帯に配布された『東京防災』で勧められている10の防災アクションのまとめ第5弾、「家具の転倒を防止しよう」です。
近年発生している大きな地震で、ケガをする人の30~50%は家の中での家具類の転倒に起因しています。2018年の大阪府大阪府北部地震でも北海道胆振東部地震でも、それぞれ家具類の転倒により命を落とされた方もいました。家具の固定など、家の中の安全を確保することは、発災の瞬間に家族の命を守ります!
家具固定の大切さがわかる動画をYouTubeチャンネルにも公開していますのでぜひご家族でご覧ください。
家の中の家具や家電で危険と思える状況を見つけて、できることから一つずつ改善しましょう!大きな地震が起こると家具や家電は文字通り飛んできて人を襲います。具体的な方法は前述の『東京防災』の冊子にも記載されていますが、以下に少しまとめてみました。
◇背の高い家具・冷蔵庫など
(1)L型の金具で壁と固定する。(壁の強度に注意)
(2)突っ張り棒タイプの転倒防止器具で固定する。
(3)着脱式移動防止ベルトで固定する。
(4)前下部にくさび形の転倒防止板を差し込む。
(5)キャスター付きであれば下皿を置き移動を防止する。
◇壁に接していない背の低い家具
(1)テーブルや椅子は脚に粘着マットなどの滑り止めをつける。
◇食器棚や吊戸棚などの開き戸
(1)収納物が飛び出さないように開放防止器具を設置する。
その他、本棚にはゴムバンドやひもをかけて本が飛び出さないようにすること、テレビをテレビ台に固定すること、水槽の下に粘着マットを敷くこと、吊り下げ式照明器具はチェーンで固定すること、ガラスに飛散防止フィルムを貼ることなども推奨されています。
しかし、家具固定などの専用器具はそれなりのお値段がしますね。全部の家具を安全な状態にするにはある程度の出費が必要です。もちろん代用できないものも多いですが、防災用品コーナー以外で売っているものを使って費用を削減できるものもあります。例えばL型の金具は1個100円程度でしっかりしたものが買えますし、吊戸棚などの開き防止には200円ぐらいから売っている「打掛」という金具を使用することもできます。節約しながら命を守る方法があります。
今、部屋を見回してください。例えば寝室でベッドや布団の頭の位置に倒れてくるかもしれない家具はありませんか?倒れると避難経路をふさいでしまう向きに家具が置かれていますか?ちょっと忙しくて今すぐには家具の固定などができないという方も、危険かもしれない家具の向きを変えたり配置を変えたりは今夜にもできますね!
今日取り上げたような家具の固定などの対策をすれば絶対安全というわけではありません。「倒れてこない」というよりは「倒れてくるまでの数秒の時間を稼いでくれる」と考えて身を守る行動をとりましょう!
やまざきひかる
※この記事は2015年10月に投稿した記事の内容をブラッシュアップして再度投稿したものです。